Clique Music を使おう
 (Aug.2003)

 
 ブラジル音楽の特徴の一つは、新しいメディアに積極的だ、ということでしょうか。CDの導入と普及もすごく早かったし、今はおもしろいDVDのソフトがどんどん、発売されています。アナログレコードも、ジャケットの印刷技術は今ひとつだったと言われていますが、録音技術は50年代から他の先進国に全く引けを取らないクオリティだそうです。

 そして、インターネット時代のクリッキ・ムジキです。このサイト、おそらく、ブラジル国内のレコード会社が共同で運営しているのだと思うのですが、まずアーティストの簡単なバイオグラフィはもちろん、完全なディスコグラフィまで、網羅しているんです。もう、大昔に廃盤になったレコードでも、レコード番号はもちろん、曲のタイトルや作詞、作曲家の名前までクレジットされています。最近のソフトだと、ジャケもわかるし、全曲、試聴できたりもします。他のアーティストのアルバムに参加しているレコードも確認できるし、関連書籍の存在もわかります。そして、これはネットだからあたりまえですが、アーティスト本人の公式ホームページにも簡単にとべます。

 このサイトを初めて知った時は、愕然としました。10年以上前から、ブラジル音楽を聞いてきた人間にとって夢のような環境です。暗い中古レコード店で、このアルバム、家にあるやつのジャケ違いかなあ、とか、このアーティスト何枚くらい出しているのかなあこのあたりだと、どういうサウンドなのかなあとかって、ブツブツ考えて、何度も失敗を繰り返していたのが、今はこのサイトで一瞬にしてわかってしまいます。

 で、このサイト、いろんな音楽の評論家の先生達はみなさん、おもいっきり使っています。なんで、みんなそんなに詳しいんだろう、と不思議になったことってありませんでしたか?先生達も、さすがに全部、持っているわけではありません。大体、このサイトでチェックして、“この曲は72年に一度録音していて...”なんて書いちゃったりしています。新譜も全部を買える訳ないので、このサイトで試聴して、“ああ、なるほど...”で済ませている方、ホント、多いと思います。

 と言うわけで、みなさんもドンドン使いましょう。実際、うちのHPでも、ホントは全曲試聴してもらって、納得して購入して欲しいし、全曲、タイトル名と作詞作曲名も、確認して欲しいなあ、という気持ちがとてもあります。だって、ブラジル音楽を聴きこんでいる人なら、“ああ、このアルバム、70年代前半でジョルジ・ベンの曲が多いという事は...”って感じで、そのアルバムの全体像がわかりますよね。でも、さすがにうちのHPで全曲試聴可にしてしまうと、まず重すぎるし、アーティストによっては、クレームが来そうな恐れもあります。(でも、先日、某有名レコード会社の人が試聴、ドンドンやってもらって構わないですよとは言ってましたが...)

 使い方ですが、英語に堪能な方は、右上のEnglish versionを押した方が、楽みたいです。でも、ポルトガル語の方が、ちょっと情報量が多いし、アルバム評価に投票できます。できれば、ポル語ヴァージョンで楽しんで欲しいところです。ちなみに、すべてのアルバムに星4つシステムで投票できるようになっているのですがこれ、ブラジル人の趣味をチェックする、という意味では面白いですが、日本人の評価とはかなりずれていて、あまり参考にならないのは確かです。

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