1.edson&tita lobo/partiu do alto
2.leny andrade/batida diferente/luz neon
3.bossa rio/blackbird
4.jorge autuori trio/voltei
5.walter wanderley/deixa isso pra la
6.trio esperanca/essas coisas
7.alcyvando luz/minha rosa
8.baden powell/tempo feliz
9.edu & bethania/cirandeiro
みなさんはサンバというとあの裸同然の格好をして頭に鳥の羽をつけて腰を振りながら踊る音楽だと思っていませんか。それは大きな誤解です。ブラジルにおけるサンバはアメリカのR&Bの位置とよく似ています。R&Bにもディスコっぽいのやロックっぽいのがあるように、サンバにも色んなタイプが存在します。みなさんが好きなボサノヴァだって本当はサンバの一種なんです。ではそんなサンバを今回はちょっと聴いてみましょう。
10.cyro monteiro/quatro loucos num samba
11.conjunto a voz do morro/mascarada
12.christina buarque/aquele bilhetinho
13.paulo da portela/quitandeiro
14.antonio carlos & jocafi/voce absou
15.paulo cesar pinheiro & baden powell/mesa redonda
16.zeluiz e zeze gonzaga/maria joana
17.cartola/corra e olhe o ceu
18.paulinho da viola/nao quero mais amar a ninguem
19.beth carvalho/vou festejar
今回選曲していただいた吉本宏さんは音楽業界で独特なポジションにいる方です。吉本さんはCDのライナーや雑誌の記事の執筆、あるいはイベントでのDJや選曲といったお仕事をたくさんされていますが、本業は一流企業のサラリーマンで奥様も可愛い娘さんもいらっしゃいます。吉本さんほど音楽の仕事が出来る方ならサラリーマンを辞めて音楽の仕事一本になればいいのにと思うのですが、吉本さんはそんな道は選びません。これは私の勝手な想像なのですが、吉本さんはいつまでも音楽を仕事にしないで趣味のままにしていたいのではないでしょうか。ご存知とは思いますが、好きなものを仕事にしてしまうと突然それがつまんなくなってしまうということがよくあります。業界内政治が絡んだ仕事は断れませんし、義務で音楽を聴くようになってしまいます。吉本さんの音楽世界観はそういう義務的お仕事意識というのが全くありません。ああ、吉本さんって音楽好きなんだなあと思わせます。だからこそ吉本さんの文章や選曲は独特の美学に支えられています。ではそんな吉本さんの選曲を聴いてみて下さい。
20.Nara Leao / Meditacao
21.Joao Donato / Daquele amor nem me fale
22.Chihiro Yamanaka / The Dolphin
23.Sasha Dobson / Without You
24.Jose Gonzalez / Heartbeats
25.Antonio Carlos Jobim / Andorinha
26.Pinky Winter / This Happy Madness
吉本さんどうもありがとうございました。
最近バール・ボッサにある宇宙人がよく来店する。彼がある時「地球のことをもっと知りたいんだけどどうすればいいのだろう?」と訊ねてきた。私は「じゃあ地球で流行った音楽の歌詞を全部理解してみるというのはどうですか?」と100枚くらい古いレコードをその宇宙人に貸してみた。
その宇宙人はそれから来店するたびに「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンという曲は月世界観光旅行の歌なのか?」とか「オーヴァー・ザ・レインボウというが虹とは本来人間の目の錯覚ではないのか?」といった質問を私に投げかけた。
そして昨日来店した時もその宇宙人はこんなことを訊ねてきた。「ボサノヴァのメディテーションという曲で『愛と微笑みと花』という歌詞があるがあれは一体何なんだ?」
私はこう答えた。「まず理解して欲しいのはボサノヴァが流行った1960年代の世界では革命のための争いや暴力、あるいは戦争が各地で起こりかなりきな臭い時代だったわけです。そんな時代にボサノヴァ人達は『愛と微笑みと花』というのをメッセージとして提示した訳なんです。ここでちょっと知って欲しいのですがボサノヴァを支えた人達は結局みんなブルジョワ出身で働いたことなんてないようなお嬢さんやお坊ちゃんばっかりなんです。そんな人達が『愛と微笑みと花』を歌うわけです。なんだか全く現実世界をわかっていないですよね。でもですね、でもだからこそそれがボサノヴァなんです。この現実の貧しい世界や暴力なんて全く見えていない『愛と微笑みと花』だけの世界だからこそボサノヴァは世代を越えて美しく響くんです」
27.antonio carlos jobim/meditation
28.joao gilberto/meditacao
29.milton nascimento/catavento
30.hermeto pascoal/hermeto
31.gal costa/bem bom
32.sergio mendes & brasil'66/pretty world
33.novos baianos/acabou chorare
34.miucha & joao gilberto/just one those things
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